IGSプログラム

IGS(lnternational Genetic Standardization)プログラムについて

チャールス・リバー・グループは新薬開発の国際化 (ICH) に対応するために、IGS (International Genetic Standardization) プログラムを採用し、動物生産を行っています。

1. IGSプログラムの目的

・Outbredの系統では、近交化を最小限にし、ヘテロ接合性を維持し、世界中にあるチャールス・リバーのコロニー間の起こり得る分岐を回避し、遺伝的乖離の発生を抑制すること
・Inbredの系統では、遺伝的乖離によるサブラインへの分岐を最小限に抑え、他系統との誤った交配による遺伝子混入を防ぐこと

チャールス・リバーでは、この遺伝管理プログラムと、他の3つの要素(微生物状態、品質保証および運営方法)を合わせることによって、複数の地域にげっ歯類の生産施設を持つグローバル企業として、全ての地域の全ての系統の遺伝的品質を維持するため、他施設にはない独自の課題に取り組んでいます。そして、このIGSプログラムによって、世界中のどの飼育センターの動物であっても、Inbredであれば同じ遺伝子を持ち、Outbred系統であれば同等の遺伝的多様性を持った動物を生産し、お客様へご提供をしています。

2. Outbred系統の遺伝管理

現在、チャールス・リバーでは、SDラットのほかに、Wistar, Wistar Han, ICRを含む複数の系統をIGSプログラムのもとで維持していますが、どこのコロニーに由来しているかに関わらず、同じ遺伝的背景を持った動物を生産するため、Foundationコロニーを設立しました。Outbred系統の遺伝管理における、もう一つの有用な要素はコロニーのMigration(移住)です。3年ごとに、Foundationコロニーの動物が、生産用コロニーに交代で供給され、ブリーダーの一部と置き換わります(図1)。毎年、Foundationコロニーへブリーダーペアの5%を入れ替えるのに十分な数の動物が、生産用コロニーから戻されます(図2)。この、forward migrationとbackward migrationは、「遺伝的な結びつき」として機能し、全てのコロニーが繋がって、どこかのコロニーだけが分岐し過ぎることのないようにしています。最終的に、全てのコロニーは世界中の複数の施設で維持・飼育していますが、遺伝子的には一つの大きなコロニーとして統合されています。

3. Inbredの遺伝管理

チャールス・リバーでは、全てのInbredで、Foundationコロニーに連結した、ピラミッド型の交配システムを実施しています(図3参照)。このシステムでは、Foundationコロニーは遺伝的、または微生物的状態の基準として機能し、各バリアルーム内のピラミッドのトップの位置である核のN(Nucleus)コロニーにブリーダーを供給します。また、NコロニーよりE(Expansion)コロニーへ、Eコロニーより、供給用の動物を生産するP(Production)コロニーへブリーダーを供給し、ブリーダーの流れを一方向にすることで、規模の小さいNコロニーよりも大規模なEコロニーまたはPコロニーで発生しやすくなる遺伝子の変化・変異を1世代で「洗い流す」ことができるようにしています。また、チャールス・リバーでは、いくつもの施設で生産されている、全てのInbredをそれぞれ区別することが可能な32の一塩基多型(SNPs)パネルを利用し、遺伝子検査を実施しています。四半期ごとに、世界中の全コロニー内のピラミッドの各レベルからの動物を検査することで、Inbred全系統の遺伝的な信頼性を保証しています。